TBS系列で2021年10月から放送を開始する10月新ドラマ日曜劇場『日本沈没ー希望のひとー』。毎週日曜日夜9時〜の放送となっています。
1973年に刊行された小松左京の不朽の名作を原作としたこの作品は何度も映像化されてきているが、今回は大きくアレンジを加え、約50年の時を経て新たに2023年を舞台に小栗旬主演で「見出していく希望」をテーマに新たな切り口として描かれる。
この記事では、小栗旬主演の10月TBS新ドラマ日曜劇場『日本沈没ー希望のひとー』のあらすじを紹介していきます。
ネタバレを含みますので、閲覧に注意してください!!
目次
キャスト紹介
ドラマ『日本沈没ー希望のひとー』の主要キャストを紹介します。
- 天海啓示:小栗旬
- 常盤紘一:松山ケンイチ
- 椎名実梨:杏
- 石塚平良:ウエンツ瑛士
- 相原美鈴:中村アン
- 山田愛:与田祐希(乃木坂46)
- 生島誠:風間杜夫
- 東山栄一:仲村トオル
- 田所雄介:香川照之
第1話 あらすじ
東山総理大臣は国際会議で環境対策の宣言を出していた。
環境省に勤務する天海と経産省の常盤は未来推進会議に選ばれ、クリーンエネルギーに関する提案を東山総理に提出していた。
そんな折に、田所博士が関東が沈没するという論説をインターネットに上げ、デモが国会前で行われる騒ぎになっていた。
田所博士は、以前は東大にいたが、問題を起こし退所させられていた。天海は田所に会いに行き、ネット上で不安を煽るのはやめるようにお願いしに行った。
田所は天海に「日之島」が沈み、それが関東沈没の発端になるということを予言した。
田所との面談の後、帰ろうとする天海に記者の椎名という女性が声をかけてきた。椎名は田所の所属する研究室を支援する企業の詐欺の疑いを追っていた。
東山総理の立ち上げた日本未来推進会議では各省庁から選ばれた精鋭たちが意見を戦わせていた。
一方、田所博士に関しても天海は調査をし、公聴会を開き田所を誘き出し計略にかけることで、田所をはめようとした。公聴会では田所を支援しているディープランズという企業が詐欺まがいの行為を行なっているということを公にし、田所をはめることに成功した。
その直後に大規模な地震が関東を襲った。震源が伊豆沖であった。それは田所が予測していた前兆と合致していた。天海は一抹の不安を覚えるのであった。
日本未来推進会議のまとめた提案が閣議にかけられたが、里城副総理に握りつぶされていた。里城副総理は多数派を率いて東山総理をコントロールしていたのであった。
田所博士は次の手として、インターネットの番組で関東沈没説を国民に訴えていた。天海たちはその行動に頭を抱えるのであった。
天海はある日のスキューバダイビングで海底のそこに吸い込まれそうになり、何か思うところがあるようであった。
天海は椎名に環境省とディープランズとの関係の資料を渡し、記事を書かせた。それにより逆に関東沈没説が盛り上がりを見せることになった。
天海は国が海底調査をキッチリ行うように仕向け、関東沈没の可能性の有無を調べようとするのであった。
調査の結果、スロースリップらしきものは見えたようであったが確証は得られなかった。東大の世良教授はスロースリップなど存在しないという検証報告をまとめていた。
翌日の検証作業では、スロースリップはなかったという報告が世良教授からなされたが、資料が改ざんされたように感じた田所は激昂した。その様子を見ていた天海は真実が明らかになっていないと再調査を進言するが、多数派に押し切られてしまう。
そんな時に、日之島が水没しているというニュースが入った。
天海は田所が日之島の沈没が関東沈没の序章だと予言していたと報告し、日本の未来は自分たちにかかっていると言い放った。
第2話 あらすじ
日之島が沈没したことで、田所博士はより詳細な検証をするためにその場を後にした。
一方、世良教授は田所の関東沈没説は根拠のない暴論で、田所は学者とは呼べないと宣言した。
そんな中、会見を開いた東山総理と世良教授はCOMSが今回の日之島沈没の引き金になっているということは断じていないと表明した。
天海の元には記者の椎名が尋ねてきて、週刊誌に掲載される予定の記事を見せてきた。その記事には天海がディープランズの詐欺の黒幕であるという内容であった。椎名は情報の出どころを探る代わりにトクダネになるような見返りを求め、天海も了承するのであった。
週刊誌の記事の件が環境省にも知れたことで、天海は事実関係がはっきりするまで謹慎を命じられた。またそれは官邸の耳に入り、天海は未来推進会議のメンバーからも外すという話も出ていた。
田所の元を訪れた天海に田所は、改ざんされていない前回の調査データを入手するように要求した。正確な調査データを得ることで、田所自身の立場も天海の立場も好転すると伝えるのであった。
しかし、天海は疑惑の影響を受け、自由に調査ができない状態になっており、常盤からは自分の状況を理解するように諭される始末であった。
あくる朝、天海は東山総理の元を訪れるが、取り合ってもらえなかった。
そして、天海は別居中の妻から離婚を切り出される始末であった。
そんな中開催された未来推進会議で、天海が提出した首都機能移転案が議題に挙げられた。天海は有事に備えて第2首都を設置することとその候補地として総理の出身地札幌を上げることで、未来推進会議メンバーの椅子を守ろうとしていた。
椎名は天海の地元を訪れ天海についての取材を母親にしていた。
田所は天海に事態は一刻の猶予もなく、関東沈没は時間の問題だと警鐘を鳴らした。
天海は、真実が何か隠されていると感じており、COMSが関東沈没の原因の一端になったのではないかと恐怖を感じていた。
椎名は天海に上から今のうちに潰しておこうと目をつけられたのではないかと話した。その話を聞いた天海は独自に資料を調査し、藤岡がディープランズから多額の土地を受け取っていたことを突き止めた。
藤岡は天海の記事を利用しようとしたことを認めたが、記事は自分ではないと話した。そして、藤岡は天海にできる限り協力すると誓うのであった。
そこで天海は、藤岡を利用し、生島自動車会長の生島の元を訪れ、改訂調査データの原本を入手するための助力を頼むのであった。
そして、世良教授を招いて開催された未来推進会議で、第二首都の候補としては北海道が最適であるという意見がまとめられたが、その会議内で天海は海保のデータが改ざんされていたことを明かし、その改ざんを行なったのが国土交通省の安藤であるということを暴露した。
天海は安藤を問い詰め黒幕を探った。安藤は世良にそれを頼まれたのだと白状した。世良は日本を不安に陥れないために改ざんを指示したと話し、日本沈没の可能性は1割程度だろうと語った。そして、好きにしろと捨て台詞を吐いて去っていくのであった。
天海は田所のもとを訪れ、COMSが関東沈没の原因なのかと尋ねた。田所はCOMSが原因になった可能性は十分にあるが、原因は自分たち一人一人にあるから、自分自身が今後どう行動していくかは自分で決めろと天海に伝えた。
天海は椎名の調査の結果、今回の記事は里城副総理が天海をはめようとしたものである可能性が高いということを聞いた。
総理の元を訪れた田所は、シュミレーション映像を見せて、遅くとも1年以内に関東の沈没が始まるという計算結果を述べるのであった。
第3話 あらすじ
沈没が予想される範囲は関東平野全体だという。田所の予測は関東沈没が起こる確率は50%だという。里城はその話を聞きながら、総理の首都機能の札幌への移転の話も通りやすくなり実によく出来たフィクションだと取り合わなかった。
東山総理は手立てはないのかと田所に聞いたが、田所は自分たちにできることは、情報を共有し、国民を避難させ人命を守ことだけだと答えた。
関東沈没を信じない人間も多い中、天海は世界的権威のジェンキンス博士のお墨付きを貰えば話の信憑性が上がると考えたが、田所とジェンキンスはすこぶる仲が悪く、ジェンキンスはデータを見ることすらも拒否する始末であった。
一方、常盤は父からバーに呼び出され、そこで里城と引き会わされた。そこで里城から自分の後継者として期待していると伝えられた。
翌日、常盤は天海と話をした。里城に詫びるように常盤は天海に話したが、天海はそれどころではないと応じた。
帰宅した天海の部屋には、別居中の妻と子供が訪れていた。妻の香織は新たなパートナーを見つけ福岡に引っ越そうと思っていると離婚届を渡された。天海はそれを受け入れ、離婚届にサインをするのであった。そんな時にジェンキンスから連絡が届いた。
ジェンキンスは田所の関東沈没説を支持し、状況は深刻だと天海に伝えた。
未来推進会議では、今後の危機対応が話し合われた。天海と常盤以外のメンバーは動揺して、まともな議論にはならなかった。常盤は段階的に情報を開示していくべきだとしたが、天海は一気に総理が国民に対して情報開示するべきだと主張し、意見が対立するのであった。
その夜、居酒屋で天海が食事をしていると、椎名が現れ、臨海都市計画と築地の移転から大企業が続々と手を引き計画が見送りになったという情報を天海にもたらした。天海は常盤に連絡し、誰かから情報が漏れているという話を伝えた。
常盤は父親の会社に出向き、里城から何かを聞いたのかと問いただしたが、父親は何も聞いていないと白を切るのであった。しかし、その様子を見て常盤は里城が情報を漏らしたことを確信し、総理に報告した。
東山総理は里城を問い詰めるが、自分は国のことを考えてやったまでで、気に入らないなら自分をクビにしたらいいと言い返すのであった。
その夜、常盤と常盤は情報を共有し、田所が半年以内に関東は沈没する可能性が高いと田所が話してきたと天海は常盤に伝えた。しかもその確率は70%を超えるという。その会話を盗聴した椎名は、それを聞き激しく動揺するのであった。
翌日の未来推進会議でも、常盤と天海は情報開示のやり方について相容れない状態が続きたが、天海が里城が情報をリークしていることを暴露したことで、天海に苛立った常盤は強引に決をとり、段階的に情報開示を進めていくことを会議の結論としてしまった。
会議後、天海の元を訪れた椎名は、関東沈没説がかなり信憑性の高いものであるという記事を天海に見せた。椎名は天海と常盤の会話を盗聴しこの記事を書いたことを告白した。
天海は情報を開示したいのは自分も同じだが、総理が発表しないと意味がないということを椎名に伝えるが、内閣が情報開示をする予定が今のところ決まっていないことを聞いた椎名は、不満を述べて自分が情報を開示すると言い放ちその場を去るのであった。
天海は週刊誌が関東沈没をかぎつけたことを総理に報告したが、準備が整っていないことを理由に即時に情報開示することは否定された。国民の命に関わることなのに、及び腰な官邸の対応に愕然とする天海と記事は出せないと編集長に記事を潰された椎名は、その夜共闘を決断するのであった。
そして、翌日の朝刊に関東沈没説のスクープ記事が掲載された。
国民、官邸などが激しい動揺に包まれ、誰が情報が開示したのかという犯人探しが始まるのであった。
第4話 あらすじ
日本未来推進会議では、官房長官が情報を開示した者はこの中にいないかの確認の問いかけをした。状況が情報を開示するという天海の思い通りになったことで、常盤は天海を疑っていた。
そんな時に、毎朝新聞のネット記事で総理が記者会見を開く予定だというものが出され、官邸が情報をリークしたのではないかという憶測も広まった。
里城副総理はこの状況に置かれたことで、誰が情報をリークしたのかをすぐに調べるように官房長官を怒鳴りつけるのであった。
一方、記者の椎名は、毎朝新聞の記事を書いたことが内外にバレて官邸に呼ばれることになるのであった。それを聞いた天海は、「いつでも俺のことをバラしていい」と椎名に伝えるのであった。
官邸で首相と対面した椎名は、記事のリーク者について首相から問い詰められた。椎名は里城が一部企業の経営者にリークしたことを指摘した。東山総理は椎名が記事を書いたことで記者会見を自分に強要していることに激昂したが、椎名に国民に寄り添った総理であることを信じていると言われ、思い悩むのであった。
椎名との会談の後、官房長官は会見を行わず、里城の機嫌を損ねないように進言した。しかし、そこに現れた天海は東山に記者会見をすることを進め、記者会見用の草案を手渡すのであった。
結局、東山総理は会見を開き、国民に「関東沈没」の危機が迫っていることを伝えた。冷静にな行動を心がけるように国民に語りかけ、未来推進会議がこれからの対策の中心をになっていくことを発表した。
田所は総理の会見を見て、危機感が足りないことに憤慨し、天海にもっと危機感を国民に伝えるように電話で迫るのであった。
本格的に未来推進会議による対策準備が始まり、天海たちは対応に追われることになるのであった。
そんな中、田所がテレビに出演し、明日にでも沈没が起こりうるのだということを語った。
それにより日本中に動揺が走り、経済面の打撃は計り知れないものであった。里城は激怒し、東山を総理の席から引きずり降ろそうと閣議で迫った。
関東からの自主避難を始めた国民たちで、さまざまな交通機関が混乱に見舞われ、各省庁の大臣は対応を会見で発表するのであった。
混乱の中、常盤と天海は生島自動車の会長の生島に協力をお願いしたが、そこに里城が現れた。里城が声掛けをすれば、各企業の経済的な協力を得られる可能性が高いことから、天海は里城に協力を求めた。
今後の選挙戦を考えた天海の上申により、里城は各経済団体に協力を求めるのであった。
そんな中、天海は東山総理大臣に官邸に呼び出されるのであった。
官邸で、総理と対面した天海は、総理に今後の対応についての話をしたが、総理から「この国の指導者にでもなったつもりか」と切り返された。総理は椎名と天海が一緒にあっている写真を天海に突きつけ、去るように強要した。
官邸から出ると、常盤が天海を待っていた。天海は常盤にも責められ、天海は早く危機対応をするべきだったため、間違った行動をしたとは思っていないと話し、それを聞いた常盤は未来推進会議に天海の居場所はないと話し去っていくのであった。
常盤は里城との密会で、Dプランズ社と天海、田所の繋がりが疑わしいということを聞かされるのであった。
ついに本格的な避難が始まり、椎名の母親も九州に避難することになった。天海の妻と子供も妻の新しい彼氏と九州に避難することになり、天海は見送りにいき、別れ際に天海は妻に離婚届けを渡すのであった。
見送り後、たまたま会った天海は椎名に記事に自分が関与していたことがバレたことを伝えた。あとは、常盤と東山総理がなんとかするだろうと話す天海に、椎名はそれでいいのかと問いかけた。
そんな時、激しい揺れが起き、道路や建物の倒壊が始まるのであった。
東京は一体どうなるのであろうか。
第5話 あらすじ
関東地方の沿岸の沈没が本当に起こった。
それを受け、緊急放送を行った東山総理は全力で対応していくことを、その放送で国民に約束するのであった。
天海自身も、沈没に関連する地震に巻き込まれ、頭に負傷をおったのであった。記者の椎名の自宅は海に沈んだという。
沈没から16時間後、政府は状況の把握を進めており、死傷者の詳細は分かっておらず、交通網は甚大な被害を受けていた。第2波がいつ来るのか分からない中、住民の避難はこれまで通り未来推進会議が中心に進めていくことが確認された。
天海と椎名は避難した家族たちと連絡が取れず、現在どのような状況にあるかが分からず、不安を募らせていた。
関東圏には、まだ避難終わっていない住民が多く残されていた。緊迫する状況の中、未来推進会議の中でも自分たちの避難もどうなるか分からないまま言い争いも起きてしまう始末であった。そのような状況の中、常盤は「ベストを尽くそう」と声をかけるのであった。
一方、被災場所から天海は田所に電話を掛けた。田所によると、プレートの沈み込みは止まり、「第2波はこない」と伝えた。それを聞いた天海は、すぐに総理に報告して欲しいと伝えるのであった。
田所の報告を受けた政府関係者は、一気に安堵するのであった。
椎名と天海は、自分の家族たちの消息を探っていたが、東名高速のトンネルの崩落事故に巻き込まれた可能性があるということがわかった。
天海は事故現場に行くことを椎名に提案し、2人は崩落事故のあった場所に車で向かうのであった。
しかし、現場となった松葉町付近へ行く経路は全て塞がれており、車で向かうのは困難な状況であった。天海は陸路を諦め、船で松葉町付近へ向かおうと試みることにした。
近くの港町に向かい漁師を説得した天海と椎名は、なんとか松葉町付近の港まで到着する目処が立つのであった。
常盤は、状況が整ってから沈没の情報を国民に知らせるという自分の判断が間違っていたと認め、天海を追い出したことに自責の念に駆られていた。
天海と椎名は松葉町付近まで到着したが、最後のところで道が封鎖されており、なかなか松葉町に辿り着けずにいた。なんとか旧道の山道を通って松葉町に向かうのがたどり着けるかはまだ分からない状態であった。
一方、田所は名古屋付近での地震の話を聞き、プレートを観測していうデータを確認したところ、急に焦り出し、海上保安庁に連絡するように助手に叫ぶのであった。
天海と椎名はなんとか松葉町にたどり着くことに成功した。そこで家族の無事を確認できた2人は胸を撫で下ろすのであった。
天海たちのいる避難場の状況は厳しく、物資や支援が十分に届いていない状況であった。
その頃、里城は沈没を受けて、今こそが首都圏を新たに作り出す絶好の機会だと考えており、日本の繁栄を生み出すチャンスだと常盤に協力を求めていた。
天海は避難所の状況を憂い、未来推進会議に避難所から連絡し、石塚に支援物資が届いていないことを伝え、今一度松葉町付近の避難所の状況を確認して欲しいと伝えるのであった。その電話が終わった石塚の前に現れた常盤は天海の状況を聞くのであった。
道の復旧が進み、松葉町から東京に戻れる状況になったが、天海と椎名はまだ避難所にいた。そんな時に、自衛隊の災害支援が到着し、避難をしている人々は安堵するのであった。
なんとそこに東山総理まで激励に現れ、避難民たちからは歓声が湧くのであった。
実はそれを仕組んだのは、常盤であった。天海は常盤と話をし、常盤は天海に謝罪し未来推進会議に戻ってくるように伝えるのであった。東山総理も、天海に戻って協力して欲しいと伝え、天海は東京に戻って総理や日本のために働く決心を固めるのであった。
被災から2週間が経ち、東京に戻った天海と椎名は、椎名の新聞社復帰を記念して、飲みに出かけるのであった。
その頃、田所は名古屋の地震の影響で、再び関東にもスロースリップを確認し、もっと大きな第2波が起こるかもしれないと危惧するのであった。
日本は一体どうなるのであろうか。
第6話 あらすじ
天海たち未来推進会議のメンバーは、ビルの屋上から海に沈んだ東京の様子を見てたそがれていた。厚生労働省の石塚は妹が今回の災害で亡くなったことを明かし、メンバーの想いはより一層強くなるのであった。
東山総理は会見で、現状プレートの動きは安定しており、これからの復興に向かって全力を尽くすことを国民に約束した。
未来推進会議では、被災者向けの街づくりを計画するようにという首相からの指示を受け、計画案の作成に取り掛かっていた。閣議でもその内容の計画が閣僚に伝えられ、住宅を中心としたその計画に、里城副総理は全く納得がいっていないようであった。里城は経済政策が第一だと考えておりお互いの考えは明らかに相違していた。
里城は話にならないと閣議を解散させ退席しようとするが、東山首相は「退席するなら対応は私に一任したと理解する」と伝えるのであった。里城は常盤や記者に手を回し、東山の計画をストップさせようと画策するのであった。
その影響で東山総理の虚偽報道が出るように脅しをかけてくるが、それを受けた天海は里城と徹底抗戦する構えで、逆に里城のスキャンダルを駆け引きに使い、東山の記事を止めることに成功した。その代わりに里城は天海に自分の派閥から立候補するようにという条件を提示し、天海はその条件を受け入れるのであった。
その後、天海は田所に呼び出され研究室に訪れた。田所はとてつもない第二波が遅ってくると天海に伝え、そのシュミレーション内容は日本全土が沈没するというものであった。
天海は田所を総理の元に連れていき、シュミレーションの報告をさせた。田所は1年以内に沈没が始まると予測を伝えた。里城は全くその予想を受け入れることができないようで、その場を立ち去ってしまった。
今回は日本全土が沈むことになるため、今回は状況が違うと天海は田所に伝えた。今回は国内に避難するという訳にはいかず、避難体制が整うまでは国民に発表するのは難しいと天海は田所に伝えた。
翌日、未来推進会議では田所の予測が伝えられ、避難先を探すことが最優先の対応事項だと天海は語った。日本国民を避難させてくれるような都合のいい国などないとメンバーはいきりたったが、実現の可能性が低くとも何もやらなければ国民は路頭に迷うことになると天海は推進会議のメンバーに言い放つのであった。
石塚の父がかつてオーストラリアの前首相と懇意にしており、出方を探るには絶好の相手だという話が持ち上がった。さっそく、石塚と天海はオーストラリアに向かい交渉を行いに向かう許可を東山総理にもらうのであった。
政府はそれと並行して海外の安い土地を買い、そこに国民を避難させる計画も持っていたが、その候補となる土地をディープランズ社が買い漁っていたことから情報が漏れているのではないかと里城が言い出し、その情報を流しているのはかつて支援を受けていた田所ではないかと話すのであった。そこで里城は官房長官に田所の身辺調査をするように指示を出すのであった。
オーストラリアで交渉に当たった天海たちは、オーストラリアの前首相サイモンに協力を断られてしまうのであった。関係が良好なオーストラリアであっても交渉が上手くいかなかったことで今後の交渉は難航することが予想されるのであった。
一方、復興計画は白紙になり、そのための予算は全て移民に回されることになったという。
天海は日本企業を他国に引き渡すことで移民交渉をするという案を首相に提出するが、里城はもし日本が沈まなかった場合にそれでは日本が終わってしまうと反対をした。そして、田所が雑誌に寄稿した文章を取り出し、田所が情報を漏らしているのではないかと里城は疑うのであった。
天海はその話を聞き、田所の元に向かい、真偽のほどを確かめるが、田所は今は政府が研究費を払っているのだから付き合いはないと天海に言い返すのであった。そして、今すぐ情報を国民に開示するべきだと天海に詰め寄った。田所は国民が知らずに災害に巻き込まれるなんて怖くないのかと問いかけるが、天海はだからこそ対応を急いでいるのだと言い返すのであった。
その夜、天海の元に椎名が天海の娘からの手紙を持ってやってきた。そこで天海は椎名を自宅に招き入れ、話をするのであった。椎名は天海の力になりたいと伝え、天海が何も言えないということは日本は危機に陥っているのだと理解するしかないと椎名は話すのであった。
一方、官邸ではディープランズに情報を流したのは田所だという証拠のメールが出てきたという報告がなされていた。それを聞いた里城はもう日本は沈まないと言い切り、東山に詰め寄るのであった。
翌日、天海の元に田所が東京地検に任意同行されるという連絡が届いた。田所が捕まって島ては、危機対策は全く進まない状況になってしまうことを意味し、天海や未来推進会議は、何を頼りに対策を進めたらいいのかと途方に暮れるのであった。
第7話 あらすじ
田所の逮捕を受け、マスコミは田所の疑惑を一斉に報道した。
天海は、勾留されている田所と面会し、田所のスマホからディープランズに機密情報を漏洩した証拠が見つかったことを伝えた。しかし、田所はそのことについて頑なに否定をしたため、天海は田所がハメられたのではないかと疑いを持つのであった。
田所は、日本沈没をないものとして扱おうとしている何者かが自分をハメようとしていると天海に訴えたが、証拠が揃っている以上、田所を解放させるのは容易なことではなかった。
田所が扱っているシステムは非常に特殊で、データを読み解くのにも田所の能力がないと分析もままならないような状態であった。実際、他の専門家に見解を求めても、田所の考えが理解できずコメントできないと答えるだけであった。
そこで天海は失脚した世良の元を訪れ、田所の代わりにデータを分析するように懇願するのであった。天海は東山総理の元に世良を連れて行き、この局面を乗り切るために世良の力が必要であると伝えるのであった。東山も世良に助力を求め、世良が田所のデータを分析することとなった。
そこで世良も、日本の沈没は避けられないという見解を示し、それを聞いた東山総理や未来推進会議は、日本沈没の対応に早急に秘密裏に動き出すのであった。
まず手始めに東山は、大企業の経営者たちに外国との移民交渉のために交渉材料として、他国に売り渡すことへの協力を求めた。しかし、企業の経営者たちは、その要求を突っぱね、「ジェンキンス教授が日本が沈没するという田所説を否定した」と言い出した。しかもその情報は里城副総理から聞いたというのである。
天海や東山総理らは里城の元を訪れ、事情を確認した。里城は国としてジェンキンス教授に見解を求め、その返答が田所の日本沈没説の否定だったというのである。それを受け、移民交渉はする必要がないのだと里城は総理に語った。
そんな折に東山総理に長沼官房長官がディープランズがモンゴルとインドに購入した土地を政府が購入しないかと接触してきたと伝えた。その売値は通常の20倍の金額で東山総理は憤慨したが、長沼は利用するのも手なのではないかと提案するのであった。
天海は、ジェンキンス教授と連絡を取るためにアメリカに行こうとしていたが、会える保証がないのに天海自身がアメリカに出向くのは、良案ではないと椎名に止められ、代わりに椎名がアメリカに渡ることとなった。
アメリカに渡った椎名は、ジェンキンス教授が身を隠していることと、日本政府から日本沈没に関することを聞きにきた人間には何も答えないように言われていたという情報をジェンキンス教授の秘書から得て、教授が身を隠していると思われる別荘へと向かった。
別荘を訪れた椎名はジェンキンスと対面し、ことの顛末を確認した。ジェンキンスは田所から送られてきたデータを見て、日本沈没説を否定したのだと返答したのであった。
それを椎名から聞いた天海は、再び田所と面会したが、田所はデータをジェンキンスに送ったことはないと否定し、それを聞いた天海は他の人間が送ったのではないかと考え、田所の助手に確認するのであった。
田所の助手の1人が、古いデータを田所のPCからジェンキンスに送っており、なぜそのようなことをしたのかと、天海は助手を問い詰めた。誰かに頼まれたのではないかと。
一方、東山総理の元では、ディープランズの土地を購入する契約の詰めのサインが行われていた。里城はそれを必要ない、無駄遣いだと責めたが、総理は仕方なくサインをして土地の売買を進めるように長沼官房長官に伝えるのであった。
ちょうどそのタイミングで、天海と常盤がその部屋に飛び込んできて、土地の売買を進めるのは少し待ってほしいと総理に伝えるのであった。その理由はジェンキンス博士が、データの再検証に入ったからで、ジェンキンスに間違ったデータを送った黒幕は、長沼であったことを報告した。
長沼はディープランズと結託して政府との土地の売買で利益を得て、日本から海外へ高飛びしようと企んでいたのであった。企てが明るみに出た長沼は、東京地検に身柄を拘束されるのであった。
ジェンキンスの再検証の結果、博士は田所説を支持し、早急に対応することを勧めるという内容のコメントも付け加えられていた。
里城は、未だに日本沈没が受け入れられない様子であったが、天海は現実を直視するように里城に伝え、里城も日本が沈むという事実を受け入れざるを得ないことを理解したようであった。
出所した田所と世良は協力して、データの分析に入り、生島自動車は移民交渉を始めることを了承した。
東山総理、里城副総理、天海、常盤らはどの国と交渉するかを相談していた。東山はパイプのあるアメリカとの交渉を主張したが、里城も自身が関係の深い中国との交渉を主張した。天海はより多くの日本国民の受け入れを目指すべく、両国と同時に交渉しようと提案するのであった。
そして、東山と常盤はアメリカ、里城と天海は中国とそれぞれ交渉を開始するのであった。初回の交渉ではアメリカも中国も日本政府が目指す数字からは程遠い数字であった。生島自動車を交渉に含めても、なかなか数は伸びなかった。
天海たちはその状況を受け、次回の交渉ではより受け入れ人数に上乗せが図れるように交渉を進めていくことを強く決心するのであった。
アメリカは東山との交渉で日本の状況の足元をみてきた。それを受け足元を見るようなら、生島は他国に渡すと常盤は話したが、アメリカの在日大使は「天秤にかけたのか、他国とは中国ではないだろうな」と憤慨するのであった。
一方、中国と交渉する里城と常盤もなかなか数を伸ばせずにいたが、里城の交渉力によりかなりの数の受け入れ人数を増やすことに成功した。
結局、アメリカは600万人、中国は1000万人の数字を提示してきた。それを聞いて常盤は中国に決定の方向でと話したが、東山は必ずアメリカでまとめると大統領と約束してしまっていたと話した。
その時、速報ニュースでアメリカが生島自動車とナショナルモーターズが合併することを発表した。アメリカは中国に生島自動車を奪われないように先んじて発表をしてしまったのである。
これを受け中国政府は日米への厳重な抗議と日本が沈没することを発表してしまった。
これで全世界に日本が沈没することが知れ渡ってしまった。
果たして日本と日本国民はどうなってしまうのであろうか。
第8話 あらすじ
中国の「日本沈没」の発表後、日本国内には大きな混乱が訪れていた。
中国の発表後の国際情勢から、アメリカもすぐに各国への日本の支援を呼びかけることは困難だと連絡してきた。国連への人道支援の依頼も拒否権を持つ中国が動かなければ何も進まないことが予想された。
八方塞がりの状況から、天海は東山総理にまずは国民に「日本沈没」についての発表を首相の言葉で伝えることが先決だと伝えた。
そして、開いた首相の会見では、東山総理は記者たちから激しい糾弾を受けた。その様子を見ていた天海はとにかく中国を説得しないとならないと強く感じるのであった。
その後、何とか中国との移民受け入れ交渉のテーブルにつくことができた日本であったが、中国は、太平自動車、三栄精器、北星化学、木下電機、常盤医療の5社を譲らないと1000万人の受け入れには応じないと言い放つのであった。
かなり苦しい条件であったが、日本の移民交渉のスタートラインとしてここから始めるしか亡くなった、日本政府は、全力をあげて企業を説得にかかるのであった。
常盤医療は常盤の父が会長を勤める常盤グループ参加の企業であり、常盤が説得にあたった。しかし、常盤会長は中国移転を拒否し、カナダと秘密裏に交渉していると話した。社員や未来を考えると中国に行くことはできないと常盤に伝えるのであった。
その報告を首相にした常盤と天海は、代替の企業の提案と引き続き常盤会長の説得を並行して続けると伝えるのであった。
田所と世良は、最新のデータから日本の沈没は、各地域が時間差で沈んでいく形で侵攻していく形になるだろうという予測を天海に伝えた。
現状と未来に国民の気持ちが荒んでいく状況の中、天海はやはり希望が必要なのだと実感し、定食屋での会話をきっかけに、あるアイディアを思いつくのであった。
翌日、天海と常盤は、里城副総理と常盤会長にプレゼンを行った。天海のアイディアは「ジャパンタウン」を中国各地に作るというものであった。その構想に常盤会長は心を打たれ、その構想が実現するなら中国に行ってもいい話した。
里城は、日本に都合がいいだけの構想に中国が同意するかを疑問だと返したが、管理面などを考えると中国にもメリットのあるものだと天海は返した。しかし、現状中国と交渉ができる状況ではなく、正規のルートで話を持っていっても門前払いを受けることは明白であった。
天海は体調を崩して政界を引退していた中国の前国家主席から話を通すことはできないかと里城に話し、連絡をとってくれるように依頼するのであった。
里城は何とか前国家主席との会談をセッティングすることに成功し、天海とともに中国に渡るのであった。体調面に不安のある楊錦黎元国家主席との会談で与えられた時間はわずか10分であった。そこで、天海は熱のこもった提案を楊元主席に行った。
その会談の最後に楊元主席は天海と里城に「あなたたちは中国人になれますか?」と尋ねた。それに対し、天海は「中国人になれるとは簡単には約束できない」と答えた。その言葉を聞いた楊元主席は、里城が40年前に中国に日本の企業を誘致した恩を今返すと話し、現主席に日本の要望を責任をもって伝えると約束をしてくれるのであった。
会談後、中国からの回答を待つ天海や首相たちの元に里城が中国側の返事をもってやって来た。なんと中国は日本の要望を受け入れてくれたのであった。
中国が1000万人の受け入れとジャパンタウン建設の計画を発表したことで、アメリカも世界に日本支援を呼びかけた。これにより、日本の移民政策は一気に進展を見せるのであった。
移民政策にある程度目処がついたことで、第二首都であり、沈没が一番遅くなると思われる札幌に首都機能が移転することが決定した。田所と世良も北海道に移動して検証を続けるようにという案内を天海は伝えるのであった。
また、移民の申請方法についての検討が未来推進会議では進められていた。さまざまな問題が噴出する中、日本国民が現実に向き合えていないことをメンバーたちは痛感するのであった。
そんな中、天海は椎名に見せたいものがあると呼ばれて、会って話をした。強がってはいたものの不安に押しつぶされそうになる椎名を天海は優しく抱擁するのであった。
椎名が天海に見せたかったものとは、世界各国から送られてきた日本へのエールの映像が映し出された大きな電光モニターであった。
それを見た天海は希望をもったと話すが、そんな時に飛び込んできたのは、東山総理と世良教授がテロに巻き込まれたというニュースであった。
2人は無事なのであろうか。
最終回 あらすじ
テロに巻き込まれた東山総理大臣と世良教授について、2人は意識不明だと政府は発表した。容疑者は逮捕されたが、総理の状態は余談を許さない状況であった。
その報道を受け、いくつかの国は日本からの難民受け入れを再検討することを発表してしまう始末であった。そのような状況の中、里城副総理は生島自動車の会長を移民特命大臣に任命した。
そして、会見で日本人には団結を訴え、諸外国には日本人の移民受け入れを要請した。生島大臣は移民の手続き方法を発表し、国民は移民希望を提出し、その中から政府が抽選で移民先を選定するという形となると発表された。移民を拒否する人たちも多く存在し、移民に関する問題は山積みであったが、なんとか一歩進んだという状態であった。
そんな中、東山総理が意識を取り戻し、天海と常盤に話があると病室に呼ぶのであった。
そこで、テロが起きた当日の話を東山は2人に話した。その日、ホテルの一室で世良は日本沈没の検証作業を辞退したいと東山に申し出があった。世良は自分のこれまでの取り組みを悔いているようであった。そして、コムスに関しての全責任は自分にあると話すのであった。その時、ドローンが部屋に向かって飛んできて、世良は東山を庇って爆発に巻き込まれたのだという。
東山の話を聞いた後、天海は世良の病室に向かった。そして、そのタイミングで世良は息を引き取った。
その報告を田所にしにいった天海であったが、田所は検証作業を続けながら、気丈に振る舞ってはいたが、最終的には嗚咽をしながら涙にくれるのであった。
一方、オーストラリアが移民受け入れを発表し、一度交渉に失敗していた石塚は安堵と喜びの表情を見せるのであった。
ようやく日本政府が全国民の半分の移民枠を得た頃、最初の移民抽選の結果が発表された。天海の娘たちはオーストラリアに行くことになった。
未来推進会議では、日本が持っている技術や人的資源を使い切ってでも、移民枠を獲得する方針が確認された。
そんな中、新潟で感染症が発生したという情報が、厚労省の石塚からもたらせた。ルビー感染症という感染症で、常盤医療が3年前に治療薬を作っており、特に大きな問題にはならないであろうという報告であった。
官邸でもルビー感染症の報告が里城にされ、かつて流行したカナダでは死者の報告はなく、飛沫感染ではなく、排泄物や吐瀉物などから感染する可能性があるということであった。
最初の移民団が日本から出国し、移民枠も徐々に増え始め日本の移民政策は順調に進んでいた。
未来推進会議が次に直面した問題は、移民枠は1億人を突破したのに未だに申請を出していない国民が多くいることであった。まずは自分達が家族たちと申請をして色々な話をすることで問題が浮き彫りになるのではないかという話になり、それぞれが順番に休暇を取ることになった。
最初に休暇をとった天海と常盤はそれぞれ家族と話し合い、常盤は父親に個人で移民申請をすることを伝えた。
天海は四国の実家に戻り、母親と移民についての話をした。天海の母は地域の人たちと地元に残る約束をしたと語り、自分だけ全く知らない土地には行きたくないと言うのであった。
天海は街の人と一緒になら移民することができるのかと母親に尋ねるのであった。その話を未来推進会議に持ち帰った天海は、他の人たちの意見を聞いた。
当初は作業量が膨大になることに難色が示されたが、他のメンバーの地元からも同様の声が上がっており、地域単位での申請が正式に移住申請の選択肢に加わることになった。
札幌に多くの官僚が移動することになったが、天海たちはしんがり舞台として東京に残ることになった。そんな中、天海の母親は地域の人々と移民申請を行なったという。当てが外れた、天海は記者の椎名に一緒に申請しないかと提案し、椎名は快く受け入れるのであった。
移民の申請が1億人を突破し、移民枠も1億2千万人を超えたことで未来推進会議のメンバーは喜びに湧くのであった。
そんな時に、新潟のルビー症感染者が亡くなったという話が飛び込んできた。今回のルビー感染症は、変異株であるようであった。その話を聞いた里城は、移民計画に影響を与えるのではないかという心配を口にするのであった。
その後すぐに、ロシアやオーストラリアでも、ルビー感染症の変異株に感染した人が報告され、亡くなる人も現れていた。オーストラリアの感染症患者は、日本からの移民と接触しており、日本の移民から感染したことが予測されていた。
そして、オーストラリアは日本人移民の入国を一時停止すると日本政府に通達してきた。そこから、一気に移民受け入れ停止の流れが世界各国に広がり、日本国民は完全に孤立してしまったように思われた。
そこにさらに、田所から天海の元に連絡がきて、日本沈没の動きが加速していることを伝え、日本が沈むまでに補償できる期間はわずか4ヶ月だと語った。
その話を聞いた未来推進会議のメンバーたちは後1ヶ月で、移民が再開されなければ国民全員を避難させることが難しくなる状況であった。この局面において、状況を好転させる唯一の手段は、この感染症への治療法を発見することであり、そのために全力をあげて取り組むことが求められた。
ロシアで感染が判明した患者は日本人移民と接触はなく、日本人移民が入国していないイギリスなどでも感染者が出たことで、日本からの感染症ではなく世界共通で広まっている感染症だということが予測されるのであった。
田所は、昔一緒に研究したブラントという研究者から連絡があり、北極圏の永久凍土から溶け出した病原菌である可能性が高いということだと天海に伝えた。
天海の元妻のパートナーの野田もルビー感染症で命を落としてしまった。
ルビー感染症が世界的に猛威を振るう中、世界中の国が移民の受け入れ停止を表明していた。
そんな中、常盤のルビー感染症治療薬とハタ製薬のジクナ病用の薬の複合投与で3名の患者が回復したという情報が入ってきた。常盤はすぐに同意の得られた患者に、複合投与を行うように政府に働きかけた。
ブラント博士が、ネイチャー紙に論文を提出したことで世界環境会議が臨時開催されることが決まり、天海は日本に発言の機会が得られるように模索するのであった。
常盤医療には、複合投与の投薬治療の1回目の報告が上がってきた。その内容は50名の検査のうち34人が完治、残りの患者も快方に向かうというポジティブな結果であった。即座に常盤医療とハタ製薬は増産の準備を始めるのであった。
天海は常盤に、常盤医療とハタ製薬の治療薬の製造情報を世界に公開できないかと尋ねた。世界の感染者数が爆発的に増える中、薬の生産が追いつかなくなる可能性があり、世界中の人々を助けるためにも公開は必要なように思われたのであった。さらにそれを移民再会への突破口にしたいという思惑が天海にはあった。
ブラント博士の力添えで、世界環境会議で日本に発言の機会が与えられた。天海は、会議で発言する内容を東山と里城に提案した。そして、2人はそれを受け入れるのであった。
世界環境会議当日。東山の会議での発言が始った。東山は、ルビー感染症の変異株を治療する方法を見出したと発表した。そして、常盤医療とハタ製薬は製造特許を放棄し、治療薬の製造法を公開すると宣言した。それに加え、移民の受け入れの再開を懇願するのであった。
その発表を聞いた各国は、拍手をもってその発言を歓迎した。それによって海外の国々は移民の受け入れを再開し、移民計画が再び動き出すことになった。
天海の元妻も出国の日を迎え、天海は2人を見送りに空港に行った。元妻と子供に想いを伝え、いつかまた会えることを願い、出発を見送るのであった。そして、天海の母親も出発の日を迎え、天海は電話で見送りの挨拶をするのであった。
一ヶ月後、生島会長も渡米することになり、特命大臣の任を解かれるのであった。政府の関係者の多くも海外に渡ることになり、いよいよ残された人は限られた人数になるのであった。椎名も一足先に北海道に移動することになり、天海と椎名は二ヶ月後の再会を約束するのであった。
二ヶ月後、後は移民を拒否している人々を説得する仕事が残されるのみとなった。常盤は未来推進会議のメンバーに家族が移住している国に移動して、ジャパンタウンの建設に力を貸すようにお願いした。総理の意向もありこの日に、推進会議の解散を宣言した常盤に、最初こそはみんな反論するが、最終的には皆納得し、いつかの再会を約束し乾杯するのであった。
天海たちが北海道に移動しようとしている時、田所から連絡が入り、スロースリップの運動が活発になっているのですぐに空港から飛び立つようにという忠告を受けた。
天海たちが飛行機で飛び立とうとする直前に、大規模な地殻変動が起こり、天海たちの乗った飛行機も離陸できるか微妙な状態であった。離陸予定時刻から時間が経った後も、天海と連絡が取れないこととで、椎名はかなり動揺をしていたが、なんとか連絡がとれ、天海の無事が確認できたことで、椎名は胸を撫で下ろすのであった。
その連絡で、天海は田所に状況を確認した。本州沈没から北海道が沈没するまでの猶予は1週間程度であろうという予測を伝えるのであった。
その情報を受け、東山総理、里城副総理と会議を行った天海たちは、3日以内に残された国民の避難を行い、その後自衛隊や空港関係者などの避難を早急に行う方針が決定された。その旨を東山総理はメディアを通して訴え、国民の避難は急速に進んだのであった。
避難が進む中、焦った様子で天海に連絡を取ってきた田所は、時期にフォッサマグナが崩れ落ちると叫び、その少し後に、本当に日本列島が中央から沈没し始めた。その勢いで、北海道まで地震が襲い、一気に日本の沈没が始まってしまうのであった。
激しい揺れに、政府関係者や、田所の研究所の職員たちの避難もままならない中、さらに大きな地震が起こり、みんな一瞬気を失いかけた、その後田所の叫び声が響き、歪みの力が強すぎてプレートが分裂し、日本の沈没が止まったと叫ぶのであった。結果的に、青森と九州の一部と北海道が残り沈没が収まったのであった。
日本は残ったものの、天海は椎名と一緒に中国に渡り、ジャパンタウンの建設に力を尽くすことを誓うのであった。常盤は北海道に残り東山総理と共に政府を作り、世界に散らばった日本人を支えていくという大役を担うことになるのであった。
田所と天海は北海道の海を見ながら、世界に環境の危機を伝えていき、地球を救う警告を続けていくことを誓い合うのであった。
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