エティハド航空 機内食 完全ガイド：評判、メニュー、特別食まで徹底解説

【総評】エティハド航空の機内食は美味しい？まずい？リアルな評判を徹底解説

エティハド航空でのフライトを控えた皆様が最も気になる点の一つは、やはり機内食のクオリティではないでしょうか。「美味しい」という声もあれば、「正直微妙だった」という感想もあり、一体どちらを信じれば良いのか迷ってしまいます。このセクションでは、様々な口コミや事実を基に、エティハド航空の機内食の全体像を徹底的に解き明かします。

 

1-1. 結論：味は路線やメニュー次第！「美味しい」と「微妙」が混在する正直な感想

エティハド航空の機内食を一口に評価することは、非常に困難です。結論から申し上げますと、**「搭乗する路線、選ぶメニュー、そして個人の好みによって満足度が大きく変わる」**というのが、最も正直な答えとなります。

実際に搭乗された方々の体験談を見てみると、その評価は見事に分かれています。「日本発の便は機内食が美味しかった！」、「チキンボールのピラフが美味すぎた」、「本気のバターチキンカレーが出てきて完食した」といった絶賛の声が上がる一方で、「正直、微妙だった」「マジで何料理？どこの国の味付け？」といった厳しい意見も確かに存在します。この評価の振れ幅こそが、エティハド航空の機内食が持つ最大の特徴と言えるでしょう。

特に、味の評価を左右する大きな要因として「出発地」が挙げられます。例えば、日本（成田・関空）から出発する便の食事は、日本人にとって馴染み深い味付けで「美味しい」と感じる方が多い傾向にあります 。しかし、海外の空港から出発する便、特にそこで提供される和食風のメニューについては、期待とは異なる結果になることもあるようです。バルセロナ発の便で提供されたカレー風の料理が「味がない粉っぽいペーストのようだった」、アブダビ発の和食が「出汁の味がなく、ただの醤油味だった」という具体的な感想は、出発地のケータリングによって体験が大きく異なることを示唆しています。

したがって、あなたのフライトが素晴らしい食体験となるか、あるいは少し残念なものになってしまうかは、いくつかの「変数」によって左右されます。この記事では、その変数を一つずつ丁寧に解き明かし、皆様がご自身のフライトで最良の選択をするためのお手伝いをいたします。

1-2. なぜ機内食の評価は分かれるのか？空の上で味が変わる科学的理由

機内食が「地上のレストランより美味しくない」と感じられることがありますが、その原因は必ずしも航空会社の調理技術だけに起因するわけではありません。実は、私たちの「味覚」そのものが、上空という特殊な環境下で大きく変化するという科学的な事実が、その背景に存在します。

飛行中の航空機内は、私たちが日常を過ごす地上とは全く異なる、3つの大きな特徴を持っています。それは、①極度の乾燥、②低い気圧、そして③大きな騒音です。これらの要因が複合的に作用し、私たちの味覚を鈍らせてしまうのです。

• 湿度と気圧の影響機内の湿度は、時には砂漠よりも低いとされる20%以下まで低下します。気圧も、標高約2,500メートルの山頂にいるのと同程度の低い状態です。この極端な乾燥と低気圧は、私たちの鼻腔や口腔内の粘膜を乾かし、食べ物の香りや風味を感じ取る能力を著しく低下させます。研究によれば、この環境下では特に塩味や甘味に対する感度が、地上に比べて最大で30%も鈍くなるという結果が出ています。
• 騒音の影響ジェットエンジンが発する「ブーン」という85デシベル以上の連続した騒音も、味覚に影響を与えます。この騒音は、味を脳に伝える神経（鼓索神経）の働きを妨げ、特に甘味を感じにくくさせることが分かっています。その一方で、興味深いことに、お米などに含まれる「うま味」は、騒音下でより強く感じられる傾向があることも報告されています 6。

このように、私たちの舌は上空では地上と同じパフォーマンスを発揮できません。そのため、航空会社は機内食を調理する際、この味覚の変化を計算に入れ、意図的に地上で食べるよりも濃いめの味付けを施しています。それでもなお「味が薄い」と感じたり、逆に「味が濃すぎて口に合わない」と感じたりするのは、こうした機内の特殊な環境が大きく影響しているのです。このメカニズムを理解することで、機内食に対する見方が少し変わり、より客観的にその味を評価できるようになるかもしれません。

2. エティハド航空 機内食【エコノミークラス編】メニューと実食レポート

ここからは、多くの旅行者が利用するエコノミークラスの機内食について、具体的な内容を詳しく見ていきましょう。食事はいつ、何回提供されるのか、日本路線ではどんなメニューが選べるのか、そして気になるドリンクの種類まで、あなたのフライトで体験するであろう「食」の全貌を詳細にレポートします。

2-1. 食事の提供回数とタイミングは？長距離路線の基本パターン

エティハド航空の長距離路線における食事サービスは、フライト時間に応じて、通常1回から2回の温かい食事と、必要に応じて軽食が提供されるという、多くの国際線で採用されている標準的なパターンです。

食事を提供する主な目的は、乗客の皆様の空腹を満たすことはもちろんですが、それと同時に、長時間のフライトにおける体内時計の調整や、時間経過の目安としての役割も担っています。そのため、提供のタイミングは、飛行が安定している離陸後と着陸前の時間帯に設定されるのが一般的です。

• 提供回数の目安
  • フライト時間が9時間以上の長距離路線（例：日本⇔アブダビ間）：通常、計2回の食事が提供されます。
  • フライト時間が9時間未満の中・短距離路線：食事1回と軽食1回の組み合わせが基本となります。
• 提供タイミングの具体例（日本⇔アブダビ線など、約10〜12時間のフライトの場合）
  • 1回目の食事：離陸後、シートベルト着用サインが消灯してから約1時間から1時間半後に提供が始まります。夕方に出発する便であれば夕食、深夜に出発する便であれば夜食という位置づけになります。
  • 2回目の食事：目的地への着陸約2時間から2時間半前に提供されます。日本に到着する便であれば、時間帯に応じて朝食や昼食としてサービスされます。
  • 軽食・スナック：上記2回の食事の間に、小腹が空く時間帯を見計らって、温かいサンドイッチやスナック菓子などが配られることもあります。

ご自身のフライトスケジュールと照らし合わせて、これらの食事提供のタイミングを事前に把握しておくことは非常に重要です。そうすることで、出発前に空港でしっかりと食事を済ませておくべきか、あるいは機内食を楽しみに搭乗するかといった計画が立てやすくなり、より快適なフライトにつながります。

2-2. 具体的なメニュー例を大公開！日本路線で提供された食事たち

日本路線のエコノミークラスでは、和食の選択肢を含む、日本人にも親しみやすいメニューが提供される傾向にあります。これは、航空会社が路線の出発地や目的地の食文化をメニューに反映させることで、乗客の満足度向上を図るという基本方針に基づいています ¹⁰。

特に、エティハド航空の成田・関西発の便では、ANAグループのケータリング会社が機内食の製造を担当していることもあり、質の高い和食や、日本人の味覚をよく理解したメニューが期待できます。

選択肢は通常、チキン、ビーフまたはフィッシュ、そしてベジタリアンの2〜3種類から選ぶ形式が一般的です。過去に関西国際空港（KIX）とアブダビ（AUH）を結ぶ路線などで実際に提供されたメニューの具体例を、以下の表にまとめました。

このように、日本路線では比較的安心感を持って選べるメニューが揃っています。ただし、注意点として、人気のあるメニューは機体後方の座席にサービスが回ってくる頃には品切れになっている可能性があります。もし食べたいメニューが決まっている場合は、ご自身の座席の順番が来たら早めに客室乗務員に希望を伝えることをお勧めします。

2-3. 味の評価：正直「微妙」だったメニューと「美味しい」と感じたメニュー

エティハド航空の機内食の味は、搭乗者の間で評価が分かれており、まさに玉石混交と言えます。「これは美味しい！」と心から感動する一品に出会える可能性がある一方で、残念ながら首を傾げたくなるようなメニューに遭遇する可能性も否定できません。

この評価のばらつきが生まれる背景には、エティハド航空が提供する味付けの方向性が、アラブ首長国連邦の航空会社らしい甘めの味付けから、アジア風、あるいは国籍不明の独創的なものまで、非常に多岐にわたることが挙げられます。そのため、その味付けが日本人の繊細な味覚に合うかどうかは、まさにメニュー次第となるのです。

「美味しい」と評価されたメニュー例

• カレー料理: 特に日本発の便で提供されるカレーは評価が高い傾向にあります。「チキンカツカレーに茄子やかぼちゃが入っていて美味しかった」、「ウィーン発の便で出たバターチキンカレーが本格的で完食した」など、スパイスの効いたカレーは多くの人に受け入れられています。
• 照り焼きチキン: 「焼き鳥丼のような味わいで、まあまあ美味しい」、「甘辛い照り焼きチキンみたいな味付けで美味しかった」といった声が多く、甘辛い和風味は日本人にとって安心できる選択肢のようです。
• デザート類: 「マンゴームースが大優勝だった」、「チョコムースが濃厚で最高のデザート」など、メイン料理の評価とは対照的に、デザートは安定して美味しいという意見が多数を占めます。甘いものが好きな方には嬉しいポイントです。

「正直、微妙…」と評価されたメニュー例

• 海外発のカレー風料理: バルセロナ発の便で提供された「バターチキンカレー（？）」は、「全然バターチキンカレーじゃない」「味がない粉っぽいペーストを食べている感じ」と、期待を大きく裏切る結果となったようです ⁴。
• 海外発の和食風料理: アブダビ発の便で出された「炊き込みご飯と魚の切り身」は、「出汁の味や日本食のうま味成分が一切なく、もはや醤油味なだけ」という非常に厳しい評価を受けています ⁴。海外発の便で和食を選ぶ際は、慎重な判断が求められます。
• 独特な味付けのサイドメニュー: 「サラダが独特な味でクセが強かった」、「謎のサラダは食べても何かわからなかった」など、メイン料理は問題なくても、付け合わせのサラダで好みが分かれるケースも見受けられます。

これらの実例から、もし食事の味に不安を感じる場合は、比較的評価が安定している「チキン料理」や「パスタ」を選ぶのが無難な選択と言えるかもしれません。また、より確実に自分の好みに合った食事を楽しみたいのであれば、後述する「特別食」を事前にリクエストするという方法が、非常に賢い選択肢となります。

2-4. ドリンクメニュー完全ガイド：アルコールは無料？頼める種類一覧

エコノミークラスをご利用の皆様にとって嬉しいニュースは、アルコール飲料を含む基本的なドリンクがすべて無料で提供されることです。ソフトドリンクからビール、ワイン、さらにはスピリッツ（蒸留酒）まで、一通りのラインナップが揃っており、フライト中に追加料金を心配することなく、お好きな飲み物を楽しむことができます。

エティハド航空は、充実したサービスを提供するフルサービスキャリアとして、食事と共に無料のドリンクを提供することをサービス基準に掲げています。拠点であるアラブ首長国連邦がイスラム圏であるためアルコールの提供について心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、国際線の機内では何ら制限なく提供されていますのでご安心ください。

提供されるドリンクの具体的な種類は以下の通りです。

• ソフトドリンク
  • ジュース類: オレンジ、アップル、マンゴー、トマトなど、定番のジュースが揃っています。
  • 炭酸飲料: コーラやスプライトなどのソーダ類ももちろん選択可能です。
  • 水: ミネラルウォーターも提供されます。
• アルコール飲料
  • ビール: 路線によって提供される銘柄は異なりますが、「ハイネケン」や「キリン」、「タイガー」といった国際的に知られたビールが用意されています。
  • ワイン: 赤・白の両方が楽しめます。多くの航空会社のようにミニボトルで提供されるのではなく、客室乗務員がカップになみなみと注いでくれることが多いようです。
  • スピリッツ（蒸留酒）: 「ボンベイ・サファイア」のジンが提供されたという報告があり、ジントニックなどを作ってもらうことも可能です。これはジン好きには嬉しいポイントです。
• 温かい飲み物
  • コーヒー、紅茶: 通常のコーヒー、紅茶に加え、デカフェ（カフェインレス）のオプションも用意されています。
  • 特筆すべきサービス: 他の航空会社のエコノミークラスでは珍しい、「カプチーノ」や「ホットチョコレート」も無料で注文できるという口コミが複数あります。これはエティハド航空の隠れた魅力の一つと言えるでしょう。

ドリンクの選択肢は非常に豊富ですが、一部の搭乗者からは「スパークリングワインがぬるかった」といった声も聞かれます。しかし、その一方でカプチーノのような嬉しいサプライズも用意されています。メニューに載っていなくても提供可能なドリンクがあるかもしれませんので、何か飲みたいものがあれば、遠慮なく客室乗務員に尋ねてみることをお勧めします。

3. ワンランク上の空の旅【ビジネスクラス・ファーストクラス】の機内食

エコノミークラスとは一線を画す、ビジネスクラスとファーストクラスの食体験は、まさに空の上のレストラン。ここでは、好きな時間に食事ができる特別なサービスから、地上の一流店にも引けを取らない豪華なメニューの数々、そして実際に搭乗した方々のリアルな声まで、その魅力のすべてをご紹介します。

3-1. いつでも好きな時に食事ができる「ダイン・エニタイム」サービスとは

ビジネスクラスとファーストクラスにおける食事サービスの最大の魅力、それは**「ダイン・エニタイム（Dine Anytime）」**と呼ばれる、乗客が自分の好きなタイミングで自由に食事をオーダーできる画期的なサービスです。

このサービスが導入された背景には、乗客一人ひとりの体内時計やフライト中の過ごし方に完璧に寄り添い、最高の食体験を提供したいというエティハド航空の強い想いがあります。例えば、深夜に出発するフライトでは、まず数時間ぐっすりと睡眠をとり、目覚めた後にゆっくりとディナーを楽しみたい、という方もいらっしゃるでしょう。あるいは、機内で集中して仕事を片付けた後、自分へのご褒美としてコース料理を味わいたい、というニーズもあるかもしれません。「ダイン・エニタイム」は、そうした多様な要望に見事に応えるための仕組みなのです。

具体的な流れとしては、搭乗後にまずシャンパンやフレッシュジュースなどのウェルカムドリンクで迎えられ、その後、客室乗務員から豊富なアラカルトメニューが手渡されます。あなたは、そのメニューの中から前菜、メインディッシュ、デザートなどを自由に選び、フライト中の好きな時間に「食事がしたい」と伝えるだけです。離陸後すぐにアペリティフと前菜を楽しみ、映画を一本観た後にメインディッシュ、そして着陸前にデザートとコーヒーをいただく、といった極めてパーソナルな食事プランを組み立てることが可能です。

決まった時間に一斉に食事が配られるエコノミークラスとは根本的に異なり、「ダイン・エニタイム」は空の旅の主導権を乗客自身に取り戻させ、自分だけのペースで時間をデザインすることを可能にする、まさにプレミアムキャビンならではの究極の贅沢と言えるでしょう。

3-2. 豪華なメニュー例：ステーキからアラビア風前菜まで

プレミアムキャビンで提供されるメニューは、世界各国の美食からインスピレーションを得て、厳選された食材を用いて作られる豪華な料理のオンパレードです。特にファーストクラスでは、専門の訓練を受けた「機内シェフ」が搭乗し、乗客の好みに合わせた調理やパーソナルな提案を行うこともあります。

エティハド航空は、プレミアムキャビンの乗客に対し、地上の一流レストランと変わらない品質とサービスを提供することを使命としており、その哲学はメニューの隅々にまで反映されています。前菜からメイン、デザート、そしてチーズのセレクションに至るまで、多岐にわたる選択肢と卓越したクオリティが約束されています。

ビジネスクラスとファーストクラスで提供されるメニュー例を以下の表で比較すると、その違いは一目瞭然です。

ビジネスクラスの食事も十分に豪華で満足度の高いものですが、ファーストクラスではそれをさらに超越した食体験が待っています。高級食材の代名詞であるキャビアが提供されるほか、自分好みの焼き加減やソースでステーキをカスタマイズできるなど、よりパーソナルで、記憶に残る特別な食事が約束されているのです。

3-3. 搭乗者が語るリアルな感想：絶賛された一皿と意外な落とし穴

豪華絢爛なメニューが並ぶプレミアムキャビンですが、実際に搭乗した方々の評価は、必ずしも手放しの絶賛一色というわけではありません。思わず唸るほど美味しいと評される料理が存在する一方で、「期待ほどではなかった」という正直な声や、選ぶべきではないとされる、いわゆる「地雷メニュー」も存在するようです。

このような評価のばらつきが生まれる背景には、機内という限られた調理環境の限界や、中東系エアラインに共通して見られる、日本人にはやや濃いと感じられる味付けの傾向、そして和食のような繊細な料理を上空で完璧に再現することの難しさなどが挙げられます。

絶賛されたメニュー

• サーモン料理: 「サーモンにハズレなし」「この旅行で1番美味しかった機内食はサーモンだった」と、特にサーモンを用いたメインディッシュは高く評価されています。火の通り加減やソースとの相性が絶妙なようです。
• スープ類: 「グリーンピーススープは別格の美味さでおかわりしたかった」「トマトとココナッツのスープはスパイシーで中毒性がある」など、意外にもスープ類が絶品だったという声が多数寄せられています。メインの前の楽しみとして期待できそうです。
• アラビア風前菜（メッツェ）: 特に本場アブダビから出発する便で提供されるメッツェ（フムスやタブーリなどの盛り合わせ）は、「断然おいしいし、見た目も華やか」と非常に好評です。

評価が分かれた・低かったメニュー

• 和食: これは多くの搭乗者が口を揃える注意点です。「中東系エアラインで日本食を頼むのはやめようと思った」、「アブダビ発の和食は創作的すぎておすすめしない」など、特に海外の空港で調理された和食は、日本人が期待する味とはかけ離れていることが多いようです。
• パスタ料理: 「ただ濃い味付けをしただけのパスタで、美味しさを見出せなかった」といった厳しい評価も見られます。アルデンテの再現が難しいのかもしれません。
• ステーキ: 焼き加減は素晴らしいと評価される一方で、ソースの味付けが「濃すぎる」と感じる人もいるようです。

これらのリアルな声から導き出される結論として、ビジネスクラス以上を利用する際には、洋食やアラビア料理、特に評判の良いサーモンやスープ類を選ぶと、満足度の高い食事ができる可能性が高いと言えます。一方で、和食の選択は、特にこだわりがない限りは慎重になった方が賢明かもしれません。

4. 【完全攻略】エティハド航空の特別食（スペシャルミール）を使いこなす！

アレルギーや宗教上の食事制限がある方のためだけではなく、健康志向の方や、その日の気分に合わせて食事を選びたいすべての方にとって、エティハド航空の「特別食（スペシャルミール）」は非常に強力な選択肢です。ここでは、豊富な種類から予約方法、そして子連れ旅行に欠かせないチャイルドミールまで、知っているとフライトの満足度が格段に向上する情報を徹底的に解説します。

4-1. 予約必須！20種類以上から選べる特別食の全リストと予約方法

エティハド航空では、宗教上の規定、医療上の必要性、あるいは個人のライフスタイルといった、乗客一人ひとりの多様なニーズに応えるため、20種類以上もの豊富な特別食を無料で提供しています。これらの特別な食事は、ケータリングの準備が必要なため、出発の24時間前までに事前のリクエストが必須となります。

この特別食制度は、単に食事制限に対応するだけでなく、旅慣れた乗客にとっては「旅の質を高めるための戦略的なツール」となり得ます。その理由として、特別食をリクエストした乗客には、一般の機内食サービスが始まる前に、優先的に食事が提供されるという大きなメリットがあるからです。これにより、「後方の座席で、希望のメニューが品切れになってしまった」という事態を確実に避けることができます。

予約方法

1. 航空券の予約時: エティハド航空の公式サイトで航空券を予約する際、搭乗者情報を入力するページで、お好みの特別食を選択できます。
2. 予約後の追加・変更: 既に航空券を予約済みの場合でも、出発の24時間前までであれば、公式サイトまたは公式アプリの**「予約の管理（Manage your booking）」**ページにログインし、後から食事のリクエストを追加・変更することが可能です。

主な特別食の種類

代表的な特別食を、目的別に以下の表にまとめました。これだけ多彩な選択肢があれば、きっとあなたのニーズに合った一食が見つかるはずです。

このように、アレルギーや宗教上の理由がなくても、「機内では軽めに済ませたいからフルーツプラッターを」「健康を意識して低カロリーミールを」といった、積極的な理由で特別食を選ぶのが、まさに「賢い旅のテクニック」と言えるでしょう。

 

4-2. 特別食はいつまでに予約すればいい？注意点とフライト時間別の提供条件

特別食を確実に楽しむためには、いくつかの重要なルールを理解しておく必要があります。まず最も大切なのは予約期限です。特別食のリクエストは、原則として出発時刻の24時間前までに完了させなければなりません。

この「24時間前」という期限は、乗客一人ひとりのために個別に用意される特別食を、各出発地のケータリング会社が間違いなく準備するための時間として、厳格に設定されています。これを1分でも過ぎてしまうと、システム上リクエストが受け付けられなくなりますので、特に乗り継ぎ便を利用するなど旅程が複雑な場合は、余裕を持って早めに手続きを済ませることを強くお勧めします。

さらに、全ての特別食が全てのフライトで利用できるわけではなく、フライト時間によって提供条件が異なる点にも注意が必要です。

フライト時間別の提供条件

• 2時間50分未満のフライトの場合:
  • 提供できる特別食の種類は大幅に制限されます。リクエスト可能なのは、**「糖尿病対応ミール（DBML）」「グルテンフリーミール（GFML）」「低乳糖ミール（NLML）」**など、医療上の必要性が高いごく一部の食事のみとなります。
  • この場合、チャイルドミール（CHML）は提供されません。ベジタリアンの選択肢も限られる可能性があります。
• 2時間50分以上のフライトの場合:
  • この長さのフライトから、チャイルドミールを含む、ほとんどの種類の特別食がリクエスト可能になります。

これらのルールから、予約の締め切りは絶対に厳守すべき事項であることがわかります。また、もし2時間50分未満の短距離便にご搭乗予定で、食事に特別な配慮が必要な場合は、希望の特別食が頼めない可能性を念頭に置き、ご自身で軽食やおやつを持参するなどの準備をしておくと、より安心してフライトに臨むことができます。

4-3. チャイルドミールとベビーミールの内容は？子連れ旅行の強い味方

小さなお子様を連れての長時間のフライトは、保護者の方にとって何かと気苦労が絶えないものです。その中でも特に心配なのが「食事」。エティハド航空では、そうした不安を解消するため、2時間50分以上のフライトにおいて、お子様向けの「チャイルドミール」と、乳幼児向けの「ベビーミール」を事前予約制で提供しており、子連れ旅行の心強い味方となっています。

チャイルドミール (CHML)

• 対象年齢: 2歳から12歳のお子様。
• 内容例: 子供が食べ慣れない機内食を嫌がって手を付けない、という事態を避けるため、メニューは子供たちに人気のメニューが中心に構成されています。具体的には、メインにチキンナゲットやミートボール、マカロニチーズなどが用意され、それに加えてパン、お菓子、ジュース、デザートなどがセットになっています。搭乗者の口コミによれば、「野菜はほとんど入っていない」との声もあり、栄養バランスよりも、まず子供が喜んで食べてくれることを最優先に考えられているようです。
• 評判: 「子供が好きなものばかりで、しっかり食べてくれた」、「好き嫌いの多い息子がパスタをほぼ完食してくれた」など、保護者の方からは安堵と満足の声が多く聞かれます。
• お楽しみ: 食事だけでなく、時にはワーナーブラザーズとコラボレーションしたリュックや塗り絵などのおもちゃが一緒に提供されることもあり、子供たちを飽きさせない工夫も凝らされています。

ベビーミール (BBML)

• 対象年齢: 2歳未満の乳幼児。
• 内容: 一般的に市販されている、信頼できるブランドの瓶詰ベビーフードが提供されます。
• その他のサービス: 事前予約を忘れた場合でも、機内には少量のベビーフードが予備として常備されており、客室乗務員にリクエストすれば提供してもらえます。また、ご自身で持参されたミルクや離乳食を機内で温めてもらうサービスも利用可能です。

チャイルドミールもベビーミールも、予約は他の特別食と同様に出発の24時間前までに済ませる必要があります。お子様連れでエティハド航空にご搭乗の際は、この便利なサービスを忘れずに活用し、親子で快適な空の旅をお楽しみください。

5. 知って得する！エティハド航空の機内食にまつわる豆知識

最後に、エティハド航空の機内食について、さらに一歩踏み込んだ豆知識をQ&A形式でご紹介します。「日本発の便はなぜ美味しいと評判なのか？」、「軽食はいつでももらえるの？」、「カップラーメンは持ち込める？」といった、旅行者の素朴な疑問にお答えします。

5-1. 日本発の機内食はどこで作られている？ANAケータリングサービスのハラール対応

「エティハド航空は、日本発の便の機内食が美味しい」という評判を耳にすることがありますが、これには明確な理由があります。結論から言うと、エティハド航空の成田空港（NRT）出発便の機内食は、ANA（全日本空輸）のグループ会社である「ANAケータリングサービス（ANAC）」が製造を担当しているからです。

エティハド航空は、サービスの品質向上を目指し、2021年10月1日より成田空港におけるケータリング業務をANAケータリングサービスに委託することを決定しました。ANAケータリングサービスは、日本のフラッグシップキャリアであるANAの機内食を一手に引き受けており、その品質基準の高さと卓越した調理技術は国内外で高く評価されています。

この提携が実現した背景には、もう一つ重要な要素があります。エティハド航空が提供する全ての食事は、イスラム教の戒律に則って調理されたことを示す「ハラール」であることが義務付けられています。そして、ANAケータリングサービスは、日本のケータリング施設としては早くからこの重要性に着目し、

川崎、羽田、成田の全工場でハラール認証を取得しています。これにより、日本人の繊細な味覚を知り尽くしたシェフたちが、厳格なハラール基準を遵守しながら、美味しく質の高い機内食を製造することが可能となっているのです。

したがって、あなたが成田空港からエティハド航空に搭乗する場合、その機内で提供される食事は、いわば「ANA品質」が保証されていると言っても過言ではありません。この事実は、機内食の味に不安を感じている旅行者にとって、大きな安心材料となるでしょう。

5-2. 軽食やスナックはもらえる？深夜便のサービスについて

はい、長距離フライトにおいては、メインの食事と食事の間に、軽食（ライトミール）やスナックが提供されることがあります。

長時間のフライトでは、2回のメインの食事だけではどうしても小腹が空いてしまう時間帯があります。そうした乗客への配慮として、フライトの中間地点あたりで軽めのサービスが組み込まれているのです。

• 提供されるものの例:実際に提供されたものとしては、温かいサンドイッチやマルゲリータピザ風のパン、ピリ辛風味のスナック菓子、ポテトチップスなどが報告されています。「Sweet or Sour（甘いものかしょっぱいものか）」と選ばせてくれることもあるようです。
• 提供のタイミングと方法:深夜便など、多くの乗客が就寝している時間帯には、睡眠を妨げないよう、客室の照明が落とされた中で静かに配られることもあります。また、サービスの時間以外でも、機体後方にあるギャレー（厨房スペース）に行けば、客室乗務員にスナックやドリンクをいつでもお願いできることが多いです。
• 注意点:ごく一部の口コミでは、「食事中以外のドリンクやスナックは有料で、座席モニターから注文する形式だった」という声も見られます。サービス内容は路線や運航時期によって変動する可能性があるため、もし不明な点があれば、遠慮なく客室乗務員に確認するのが最も確実です。

フライト中にお腹が空いたら、まずは気軽に客室乗務員に声をかけてみましょう。多くの場合、何かしらのスナックや飲み物を提供してもらえるはずです。

5-3. 機内への食事の持ち込みは可能？カップラーメンはOK？

はい、ご自身で用意した食事やスナックを機内に持ち込むことは基本的に可能です。ただし、液体物の持ち込み制限には注意が必要です。また、多くの方が気になるカップラーメンについては、持ち込みは可能ですが、お湯の提供は安全上の理由から断られる可能性が高いと考えるべきです。

エティハド航空は、乗客が自身のスナック等を機内に持ち込むことを公式に許可しています ²⁸。これは、食事に強い好みがある方や、アレルギーをお持ちの方、あるいは特別食の提供が限られる短距離路線に搭乗する際に特に有効な対策となります。

• 持ち込みのルール:
  • 固形の食べ物: おにぎり、パン、サンドイッチ、お菓子、果物など、固形の食品は問題なく持ち込むことができます。
  • 液体物の制限: スープ、ソース、ジャム、ヨーグルトといったペースト状・液状の食品は、他の液体物と同様に、100ml（または100g）以下の個別の容器に入れ、それらを容量1リットル以下の再封可能な透明なプラスチック製袋（ジッパー付き袋など）にまとめる必要があります。
• カップラーメンとお湯について:カップラーメンそのものを機内に持ち込むことはルール上問題ありません。しかし、航空会社は、フライト中の予期せぬ揺れなどによって乗客が火傷をするリスクを避けるため、乗客個人に熱湯を提供することに対して非常に慎重です。客室乗務員にお湯を頼んでも、安全上の理由から断られるケースがほとんどです。カップラーメンを食べたい場合は、空港のラウンジなどで搭乗前に済ませておくのが賢明です。

お気に入りのスナックやお菓子を持ち込んで、長時間のフライトをより快適に過ごすのは素晴らしいアイデアです。ただし、匂いの強い食品（キムチやドリアンなど）は、周りの乗客への配慮として避けるのが国際的なマナーとされています。

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