目次
かごめかごめ
童歌に隠された、恐ろしくも悲しい物語
かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ?
💃 説①:遊女の悲哀
最も広く知られている説の一つです。籠のような遊郭から出られない遊女の悲しい運命を歌ったものと解釈されます。歌詞の一つ一つが、自由を奪われた彼女たちの嘆きや絶望を象徴していると考えられています。
- かごめ (籠女): 遊郭から出られない遊女自身。
- 籠の中の鳥: 不自由な境遇の比喩。
- 夜明けの晩に: 決して訪れることのない「自由の時」。永遠に出られない絶望感。
- 鶴と亀が滑った: 縁起の良いものが滑る、つまり不吉な出来事や死の暗示。
- 後ろの正面だあれ: 今宵の客は誰か、あるいは次に死ぬのは誰か、という問いかけ。
🤰 説②:堕胎された子の怨念
聞く人によっては最も悲しく、恐ろしいと感じられる説です。「かごめ」を「屈む女」、つまり妊婦と解釈します。歌は、生まれることができなかった赤ちゃんの視点から、母親への問いかけや怨念を表しているとされます。
歌詞 | 妊婦説での解釈 |
---|---|
かごめかごめ | お腹をかばい屈む妊婦 |
籠の中の鳥は | 胎内にいる赤ちゃん |
鶴と亀が滑った | 流産や死産という不吉な出来事 |
後ろの正面だあれ | 私を堕ろしたのは誰?という赤子の問いかけ |
⛓️ 説③:処刑される囚人の恐怖
この歌が「怖い」と言われる最大の理由がこの説です。斬首される直前の囚人の視点で歌われているという、非常にショッキングな解釈です。首を斬られた瞬間の情景が、歌詞に生々しく描写されているとされます。
- かごめかごめ: 囚人を囲む役人たち。
- 籠の中の鳥: 牢獄の中の囚人。
- 鶴と亀が滑った: 首が斬り落とされ、胴体が前に「滑るように」倒れた様子。
- 後ろの正面だあれ: 身体が前に倒れた時、ちょうど「後ろの正面」に見える斬首した介錯人は誰なのか、という最後の問いかけ。
💰 説④:徳川埋蔵金の暗号
歴史ミステリーとして非常に有名な説です。歌詞全体が、徳川幕府が隠したとされる莫大な埋蔵金のありかを示す暗号になっているというのです。この説の鍵は、栃木県の日光東照宮にあるとされています。
- 鶴と亀が滑った(統べた): 日光東照宮にある鶴と亀の像が場所の中心(統べる場所)を示している。
- 夜明けの晩に: 東照宮の有名な「眠り猫」の上にある朝日と夕日(朝晩)の彫刻を指す。
- 後ろの正面だあれ: 徳川家康の墓所の真後ろにある、何も刻まれていない石塔こそが「後ろの正面」であり、その下を示すという。
🏯 説⑤:天海=明智光秀説
徳川家康の側近であった謎の僧侶・南光坊天海の正体が、実は本能寺の変で信長を討った明智光秀であり、彼がこの歌を作ったという壮大な説です。徳川の世の転覆と、自らの一族による再興を願うメッセージが込められているとされます。
- かごめかごめ: 徳川幕府という「籠」に閉じ込められた将軍家。
- いついつ出やる: いつになったら、その支配が終わるのか。
- 後ろの正面だあれ: 徳川の次に来る者は誰か?それは自分(天海=光秀)の子孫である、という予言。
📜 起源と正しい遊び方
この歌の発祥の地として最も有力なのは、江戸時代に醤油作りで栄えた千葉県野田市とされています。子どもたちの間で歌い継がれるうちに、様々な解釈が生まれていったと考えられます。
遊び方
- オニを一人決め、中央で目を隠してしゃがみます。
- 他の子は手をつないで輪になり、歌いながらオニの周りを回ります。
- 歌の最後「後ろの正面だあれ?」で止まります。
- オニは目隠しのまま、真後ろにいるのが誰かを当てます。
- 当たればオニが交代、外れればもう一度オニを続けます。
歌詞の解釈を比較する
下のメニューから歌詞を選ぶと、各説でそれが何を意味するかが分かります。
謎は、深まるばかり
遊女の悲しみから、歴史を揺るғаす壮大な陰謀まで。一つの童歌に、これほど多くの物語が隠されています。真実は藪の中ですが、その謎こそが「かごめかごめ」が時代を超えて人々を魅了し続ける理由なのかもしれません。次にこの歌を耳にするとき、あなたの頭にはどんな物語が浮かぶでしょうか。